VOC処理設備計画

VOC排出対策システム

北四国グラビア印刷では、法令遵守の姿勢に立ち、平成22年2月より
光化学スモッグの一因となっている揮発性有機化合物(VOC)の排出量削減にも
積極的に取り組むようになりました。

VOC emission control system 改正大気汚染防止法によるVOC排出制御制度

VOCは揮発性有機化合物( Volatile Organic Compounds)の略称で、塗料、接着剤、印刷インキ、洗浄剤、ガソリン、シンナーなどに含まれるトルエン、キシレン、酢酸エチルなどが代表的な物質であり、大気中の光化学反応により光化学スモッグを引き起こす原因物質の一つとされています。 また、VOC排出量の発生源として、塗料、インキ、洗浄剤、接着剤からの排出が全体の約75%を占めており、業種別に見ても塗料等を多く扱う業種からの排出が多くなっています。(印刷インキ9%、接着剤4%)。平成16年5月に大気汚染防止法が改正され、平成18年4月1日からの施行によりVOCの排出規制が実施されました。今般の法改正では、わが国の環境法体系では初めて「法規制」と「自主的取組」の双方を適切に組み合わせて効果的にVOCの排出を削減することとされています。

VOC emission control system 北四国グラビアのVOC排出対策・
廃熱回収システムの概要

ドライラミネート機より排出されたVOCガスを排出対策装置へ送り込み、熱交換器と電気ヒータによって350℃まで温めます。この温度で触媒に触れることで酸化燃焼され、400〜500℃まで上昇してVOCが除去され、大気に放出します。
対策装置立上時には初期加熱のために電気ヒータが稼動します。その後、ドライラミネート機が安定して稼動し始めると、VOCが燃焼する際に発生する熱を利用して、熱交換器にてVOCガスを350℃以上に温めるため、電気ヒータは停止します。これを自燃(じねん)状態と呼び、これによってランニングコストの軽減を図れます。そして、排気される処理済ガスはまだ高温であるため、これを排熱回収し、乾燥工程の熱風に利用することで省エネを行い、熱源として用いているA重油ボイラの燃料費を削減しました。
当社には、ドライラミネート機が2台あり、常に両方が稼動しているわけではありません。また、稼働中のドライラミネート機でも、フィルムの交換などにより稼動停止することがあります。そのような場合でも、対策機は最適、かつ、省コストな処理ができるように自動制御されています。

Global warming prevention Committee seminar materials 地球温暖化防止実行委員会
第2回セミナー資料

グラビア印刷業界にとって次なる社会的テーマは、地球温暖化防止への貢献であるとし、温室効果ガスであるCO2の排出削減を目指しており、関東グラビア協同組合が事務局となって、「地球温暖化防止実行委員会」を立ち上げ、法の動向や、新技術の紹介、各社の取り組みなどを行うセミナーを開催しております。
2010年4月20日には「今までは試運転・・・いよいよ本番!自主トレーニング〜オープン戦〜公式戦」をテーマに第2回セミナーを開催しました。その中で、当社とVOC排出対策について協力を受けた四国電力殿との連名にて「ドライラミネート接着工程におけるVOC排出対策と排熱回収、国内クレジット制度の活用について」について発表いたしましたところ、講評にて、「特定のメーカーに頼ったものではない、公平な視点でのVOC排出対策検討は貴重な事例である」とのお言葉をいただけました。

本件のVOC排出対策と廃熱回収の基本設計および、国内クレジット制度の活用については、
四国電力グループの協力によって行なっております。
ご不明な点があれば四国電力株式会社営業技術サポートグループ(代表087-821-5061)までご連絡ください。